【心にしみる味 #4】白いごはんに魅せられて。
【心にしみる味 #4】白いごはんに魅せられて。
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10月のテーマは「心にしみる味」です。
実りの秋、収穫の秋と言うだけあって、食いしん坊にはたまらない季節。
四季がある日本では、そのときどきの旬の味覚が楽しめるわけですが、一年でこの時期に最もおいしくなるものの代表選手に「お米」があります。
ちなみに、お米は9〜10月頃にかけて収穫され、収穫直後のものを「新米」と呼びますが、その年の12月31日までに精米・袋詰めされたものは新米の表示をしてよいのだそうです。
先日、精米して間もない、まさにほやほやの新米1合分をいただく機会があり、「これは心していただかなくては」と気合いを入れるとともに、白いごはんの魅力をあらためて考えてみようと思い立ちました。
昨今、ダイエットのために炭水化物を抜く、ごはんを敬遠する風潮が見られますが、中にはなんとなくそうしていると言う人も少なくないはず。
糖質という観点からすると、お茶碗1杯分のごはん(150〜200g)の糖質は約50〜70g、3食摂っても150〜210g程度。
日本人の1日あたりの炭水化物摂取基準量は320gと考えられているので、たとえ1日3食の主食をごはんにしたとしても、お茶碗1杯程度であれば摂りすぎにはならないのです。
また、私たちはストレスを感じたときにセロトニンという神経伝達物質、いわゆる“しあわせホルモン”を分泌して心の安定を図りますが、このセロトニンをつくるために必要な必須アミノ酸のひとつ、トリプトファンがお米には豊富に含まれています。
セロトニンは、良質な眠りには欠かせない“睡眠ホルモン”であるメラトニンの原料にもなるので、ごはんを食べることが健康な心と身体を維持することにつながるというわけです。
タンパク質や食物繊維、ビタミン類も多く、栄養の優等生。
そして、どんな食材とも相性ばっちり。だからこそ、お米は古くから日本の食文化の中心にあり、ソウルフードとして根づいたのでしょう。
そんなお米をベストな状態でいただけるのが、炊きたてのごはん(新米ならなおよし)。私は、土鍋炊きが定番で、前の日の夜にといで水に浸けておきますが、お米のプロによると、
・米はとぐのではなく、やさしく洗う。
・洗ったお米は蓋つきの容器に水と一緒に入れて、冷蔵庫で吸水させる。
という手順を踏むと、冷たい水が沸騰するまでに時間がかかることで、よりうま味がアップするのだそうです。
いただいた新米を教わった手順で炊いてみたところ、確かに、「お、おいしい…!」
見た目はツヤツヤ、一粒一粒の輪郭が感じられるくらいハリのある舌触りで、噛めば噛むほど甘みが増していきます。白いごはんとお味噌汁があれば、それだけでもう十分しあわせ。
時間がなく、たとえおかずを添えられなくても、朝の食卓はそんな風に心を満たすものを並べて1日をはじめたいなとあらためてしみじみ思います。
[おまけ]
たっぷりの量を炊いておにぎりに。冷めても、気持ちはほかほか。