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スープのある時間に読みたい本|SOUP&BOOKS vol.03

スープと本の写真

スープのある時間に読みたい本|SOUP&BOOKS vol.03

SOUP&BOOKS
スープのある時間に読みたい本。

スープのように、あたたかくてやわらかな
読書の時間がある。
そんな想いから今回、
ブックディレクションや編集を手がける
ORDINARY BOOKS
三條陽平さんに、
「スープ」をテーマにした本を選んでもらいました。
本企画は全4回。

毎回ひとつのテーマをもとに、「スープのように心を満たす本」を紹介していきます。
まずは、この企画のはじまりに三條さんが語ってくれた言葉から。

スープについてあらためて考えてみると、曖昧で不思議なものが浮かび上がってきました。

お腹をしっかり満たしてくれるごちそうでありながら、コーヒーのように心をほっとさせてくれる飲み物であり、熱くても冷たくてもおいしく、濃厚でも、あっさりでも成立する。そんな両極端の要素を受け入れ、満足感と安心感をもたらしてくれるのがスープではないでしょうか。

社会はいつも二項対立に引き裂かれそうになっており、満足感と安心感こそ私たちに必要な感性です。世界を二分してしまいがちな私たちの思考を、ゆるやかに溶かしてくれるような存在と言えるかもしれません。

本は、正解を押しつけるものではなく、その解釈はページをめくる読み手に委ねられ、スープのように味わい方も人それぞれ違います。

スープと本。
どちらも、私たちを満たし、ほっとさせてくれる。
そんな二つを味わう時間は、暮らしをより豊かにしてくれるはずです。

Theme.3 身体と心をあたためる

スープは身体を、本は心をあたためてくれるもの。
どちらも、日々の暮らしや人生にそっと寄り添い、
静かな力で私たちを満たしてくれます。
そんなぬくもりを感じさせてくれる
3冊をご紹介します。

本「スープになりました」

スープになりました
彦坂有紀・もりといずみ/講談社

彦坂有紀さんと、もりといずみさんによる〈彦坂木版工房〉は、日々の食卓に並ぶ身近な食べものを木版画で表現し、数々の絵本を生み出してきました。パン、ケーキ、コロッケと続き、本作ではスープが描かれました。にんじん、じゃがいも、トマト、えだまめ、ほうれん草、とうもろこしといった色とりどりの野菜が、ページをめくるうちにおいしそうなスープへと変わっていきます。すべて木版で描かれたモチーフには、独特のかすれや色のにじみが味わい深く、見ているだけで香り立つような豊かさが宿っています。最後に登場する、とろりとしたコーンポタージュにカリッと焼かれたフランスパンを浸して食べる場面は、思わずページの向こうに手を伸ばしたくなるほどおいしそうです。

本「黒田泰蔵 白磁」

黒田泰蔵 白磁
黒田泰蔵/求龍堂

スープを食すのにふさわしい器とは、どんなものだろう。そう考えたとき、陶芸家・黒田泰蔵さんの白磁が思い浮かびました。黒田さんの白磁は、研ぎ澄まされた緊張感のあるフォルム、やわらかくふくらみのある白が特徴的です。完璧なフォルムと無垢の白、もはや彫刻といっても過言ではないこの器にスープを注ぐとしたら、どんなものが似合うのだろう。高価な器を日常的に使うのは少し勇気がいります。しかしお気に入りの器を並べた食卓を想像するだけで、スープの時間が一段と豊かに感じられるのではないでしょうか。

本「珈琲夜船」

珈琲夜船
菅原敏/雷鳥社

執筆、朗読、作詞、ラジオ出演など、多方面で活躍する詩人の菅原敏さんによる31篇を収めた詩集。祖母が淹れてくれて初めて飲んだコーヒーの記憶を出発点として、「見知らぬ夜の海へと漕ぎ出す“小舟”のような詩集を作りたい」という想いから生まれた本作。海を小舟でたゆたうような、浮遊感のある不思議な言葉たちが、静かに心に染み入ってきます。遠くへ旅に出たくなるときや穏やかな時間をひとり楽しみたいときに、あたたかいスープ片手にゆっくり味わいたい一冊です。

ボルシチと参鶏湯の写真

物語の続きを、スープとともに。

心がほどけていくような本を読んだあとは、ゆっくりと体をあたためてくれるスープを。

静岡産「あかでみトマト」で煮込んだ7種野菜と3種の豆が甘み豊かなミネストローネ
大きめにカットした7種の国産野菜と、3種類の豆を静岡県産あかでみトマトでじっくり煮込んだミネストローネ。一日の終わりにぴったりの、心もお腹も満たす一杯。

北海道産雪下にんじんのやさしい甘みのクリーミーポタージュ
にんじん特有の青臭さの少ない雪下にんじんを使ったポタージュ。やさしい甘さとクリーミーな舌触りで、にんじんが苦手な人にもおすすめ。

青森産ごぼうと舞茸と国産野菜のぽかぽか和風生姜スープ
青森産のごぼうと舞茸に、5種の国産野菜を合わせた滋味深い和風スープ。生姜の香りが体の芯を温めてくれます。

静岡産「あかでみトマト」で煮込んだ7種野菜と3種の豆が甘み豊かなミネストローネ 540円
購入はこちら
北海道産雪下にんじんのやさしい甘みのクリーミーポタージュ 540円
購入はこちら
青森産ごぼうと舞茸と国産野菜のぽかぽか和風生姜スープ 540円
購入はこちら
プロフィール

三條陽平

ORDINARY BOOKS代表。1987年生まれ。蔦屋書店、BACHを経て2022年独立。
公共図書館や宿泊施設、企業ライブラリーの選書やアートブックの編集を軸に活動。ブックディレクションでは岐阜県可児市の公共図書館「カニミライブ図書館」を手掛ける。
出版した書籍に宇平剛史(著)Cosmos of Silence、編集/執筆を手掛けた書籍に造本設計のプロセスからたどる 小出版レーベルのブックデザインコレクション(グラフィック社)、Sandwich | KOHEI NAWA(Sandwich Inc.)がある。

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