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スープのある時間に読みたい本|SOUP&BOOKS vol.02

スープと本の写真

スープのある時間に読みたい本|SOUP&BOOKS vol.01

SOUP&BOOKS
スープのある時間に読みたい本。

スープのように、あたたかくてやわらかな
読書の時間がある。
そんな想いから今回、
ブックディレクションや編集を手がける
ORDINARY BOOKS
三條陽平さんに、
「スープ」をテーマにした本を選んでもらいました。
本企画は全4回。

毎回ひとつのテーマをもとに、「スープのように心を満たす本」を紹介していきます。
まずは、この企画のはじまりに三條さんが語ってくれた言葉から。

スープについてあらためて考えてみると、曖昧で不思議なものが浮かび上がってきました。

お腹をしっかり満たしてくれるごちそうでありながら、コーヒーのように心をほっとさせてくれる飲み物であり、熱くても冷たくてもおいしく、濃厚でも、あっさりでも成立する。そんな両極端の要素を受け入れ、満足感と安心感をもたらしてくれるのがスープではないでしょうか。

社会はいつも二項対立に引き裂かれそうになっており、満足感と安心感こそ私たちに必要な感性です。世界を二分してしまいがちな私たちの思考を、ゆるやかに溶かしてくれるような存在と言えるかもしれません。

本は、正解を押しつけるものではなく、その解釈はページをめくる読み手に委ねられ、スープのように味わい方も人それぞれ違います。

スープと本。
どちらも、私たちを満たし、ほっとさせてくれる。
そんな二つを味わう時間は、暮らしをより豊かにしてくれるはずです。

Theme.1 とけあう世界

スープがつい飲みたくなる、
スープとともにじっくり読みたい2冊をご紹介。
現実と空想、自己と他者、その境界を
ゆるやかに溶かしてくれるような物語です。

本「街とその不確かな壁」

街とその不確かな壁
村上春樹/新潮社

作文コンクールで知り合った少年と少女は文通や高校生らしいデートを重ねますが、少女は最後の手紙で自分が本物ではなく「影」であることを告白し、連絡が途絶えます。主人公は彼女を忘れられないまま都内の私大に進学し、書籍の取次会社に就職します。40代半ばで独身を貫く彼はある日、道路の「穴」に落ち、10代の頃に少女と想像した「壁」に囲まれた名前のない街に迷い込みます。「図書館」で「影」を奪われ「夢読み」の仕事を与えられた主人公は、自分の「影」だけを現世に返し、街にとどまることを選びます。現世に戻った「影」は図書館の館長となり、主人公は幽霊や図書館に通う少年との出会いを通して、街の秘密や「古い夢」を知ります。この物語で描かれる「壁」は人の自己意識を、「影」は人間的な感情を象徴しています。私たちは日々の暮らしの中で、無意識のうちに自己と他者を隔てる壁を立て、自己世界を形づくっています。しかし、その壁があまりに高くなれば、分断や排他を生み、他者や世界とのつながりを失ってしまいます。大切なのは、「影」とともにあること。つまり、自らの感情や弱さに寄り添いながら、内なる壁を少しずつ溶かしていくことです。そうして世界をありのままに受け入れるとき、私たちの前には、かつて見えなかったみずみずしい世界が開けていくのではないでしょうか。

本「愛蔵版 モモ」

愛蔵版 モモ
ミヒャエル・エンデ/岩波書店

物語の主人公は、街の外れにある廃墟になった円形劇場に住む少女・モモ。モモにはある不思議な能力が備わっています。それは「相手の話をじっくり聴く」こと。ただ聴くだけではありません。その大きな黒い目で相手をじっと見つめ、注意深く耳を傾けるだけで、自分のどこにそんな考えが潜んでいたのかと驚くようなアイデアがすうっと浮かび上がってくるのです。その力のおかげで、モモは街の人々に温かく受け入れられていました。しかしある日、「時間どろぼう」と呼ばれる灰色の男たちが現れ、人々の時間を盗み取り、効率や利益ばかりを追う生活へと変えていきます。人々は忙しさのあまり、自分の心や大切な時間を失っていきます。モモは友人たちと力を合わせ、時間どろぼうたちに立ち向かい、失われた時間と人々の心を取り戻そうと奮闘します。この物語は、タイパやコスパが優先される現代社会に対する鋭い寓話であると同時に、時間の大切さや心の豊かさを思い出させてくれます。スープをゆっくり味わうように、それを楽しむ時間こそが、人生の豊かさであることを教えてくれるのです。

ボルシチと参鶏湯の写真

物語の続きを、スープとともに。

現実と空想のあいだを旅する物語のあとに、心をゆるめてくれるあたたかなスープを。

北海道産白いんげん豆と8種の野菜たっぷりとろとろ白いミネストローネ
白いんげん豆のまろやかさをベースに、キャベツ、茄子、セロリ、小松菜など
8種類の国産野菜をたっぷり煮込んだスープ。野菜の自然な甘みと豆の優しいとろみが一体となり、読書の時間のように、じんわりと身体を温めてくれます。

【期間限定】北海道産「さらさらレッド」をコトコト煮込んだレッドオニオンスープ
北海道で育った赤玉ねぎ「さらさらレッド」を赤ワインとともにコトコト煮込んだ、
深い甘みとコクが広がるスープ。ゆるやかに疲れがほどけるような一杯。

鹿児島産じゃがいもとベーコンと5種類の野菜たっぷり具沢山ポトフスープ
ごろっと大きめに切られた野菜と、ベーコンの旨みが溶け合う具沢山のスープ。しっかりとしたボリュームで、胃袋を満たしてくれます。

北海道産白いんげん豆と8種の野菜たっぷりとろとろ白いミネストローネ 540円
購入はこちら
【期間限定】北海道産「さらさらレッド」をコトコト煮込んだレッドオニオンスープ 540円
購入はこちら
鹿児島産じゃがいもとベーコンと5種類の野菜たっぷり具沢山のポトフスープ 540円
購入はこちら
プロフィール

三條陽平

ORDINARY BOOKS代表。1987年生まれ。蔦屋書店、BACHを経て2022年独立。
公共図書館や宿泊施設、企業ライブラリーの選書やアートブックの編集を軸に活動。ブックディレクションでは岐阜県可児市の公共図書館「カニミライブ図書館」を手掛ける。
出版した書籍に宇平剛史(著)Cosmos of Silence、編集/執筆を手掛けた書籍に造本設計のプロセスからたどる 小出版レーベルのブックデザインコレクション(グラフィック社)、Sandwich | KOHEI NAWA(Sandwich Inc.)がある。

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