八甲田山の火山灰が育てる、青森のごぼう

八甲田山の火山灰が育てる、
青森のごぼう
食物繊維が豊富で、豊かな風味が魅力のごぼう。じっくり煮込むことで、素朴な甘みと香りが引き立つことから、〈野菜をMOTTO〉のスープでも人気の食材です。 今回は、〈野菜をMOTTO〉のスープに使用している青森県産のごぼうの産地へ。 生産量全国1位を誇る青森県のなかでも、有数の産地として知られる十和田市を訪ねました。 迎えてくれたのは、昭和45年から農業を営む四木俊一さん。妻の雄子さん、息子の聖将さんとともに、約10町歩(東京ドーム約2個分)の畑で、ごぼう、長芋、にんじん、大根などを育てています。


まずはごぼうの収穫作業を見学。トラクターに取り付けられたごぼう収穫機が畑を進むと、5〜6センチ間隔で植えられたごぼうが一本ずつ土の中から姿を現します。 「ここら辺の土の特徴は、八甲田山の火山灰などが堆積してできた黒ボク土です。やわらかいので、深く根を伸ばすごぼうを作付けしやすい。ごぼうに味がのりやすいんです」 と四木さん。収穫したごぼうを手に取ると、土の香りとともに、ごぼう特有の力強い香りが立ちあがります。 ごぼうの収穫は機械化が進み、高齢の農家にとって比較的体への負担が少ない作業なのだそう。「トラクターがなかった頃は、馬と一緒に農作業をしていたと聞きましたよ」そんな時代を振り替えながら、四木さんはこう続けます。 「最近は干ばつの影響もありますが、この辺の夏でも涼しい気候がごぼうに合っているんです。健康志向の高まりで、ごぼうのおいしさが見直されて、生産や価格も安定しています」

畑で育った野菜を、食卓へつなぐ
では、こうして育てられたごぼうは、どのように私たちの食卓へ届くのでしょうか。畑を後にして向かったのは、十和田市を拠点に野菜の販売と加工を行い、生産者と市場をつなぐ十美商事。取締役の加藤 賢さんに、青森野菜の特徴や流通を支える仕事について伺いました。 「このあたりは、にんにく、ごぼう、長芋。この3品目が主力です。にんにくとごぼうの生産量は日本一。長芋も全国トップクラスです。どれも貯蔵ができるので、出荷時期を調整しながら年間を通して供給できるのが強みですね」


細いサイズのごぼうを地域の名産へ
十美商事では、野菜を販売するだけではありません。以前は市場で評価されにくかった細いサイズのごぼうを、地元の漬物メーカーと商品開発することで、新たな価値を生み出してきました。 「昔は2S、3Sサイズはほとんど値段が付かなかったんです。それを商品化することで需要が生まれて、小さいサイズにも価値が付くようになりました」 小ぶりなごぼうも発送を変えれば地域の名産になる。そんな取り組みが、生産者の収入にもつながっています。
生産者に寄り添う“伴走者”
加藤さんの話を聞いていて印象的だったのは、市場を見る視点でした。十美商事では、全国の産地や市場の動きを見ながら、生産者へタイミングや価格の情報を共有しています。 「来週は相場が上がりそうだから、今は慌てて出荷しなくてもいい」そんなやり取りも日常のひとコマ。「とにかく生産者にお金を取ってほしいんです」その言葉からは、販売会社という立場を超え、生産者とともに農業を支えていこうという思いが伝わってきました。 生産者は減った一方で、品質の高い野菜にはしっかり価格が付く時代。タイミングによっては相場が大きく上がることもあり、良いものを作ればきちんと評価される環境は、以前より整ってきているのだとか。
「青森は本当に自然が豊かなんです」最後に加藤さんが何気なく話したこの一言が、とても印象的でした。八甲田の大地と奥入瀬の清らかな水。そんな恵まれた環境でのびのびと育ったごぼうは、青森県南部を代表する味のひとつ。〈野菜をMOTTO〉のスープにも、そのおいしさがぎゅっと詰まっています。

ちなみに、“ごんぼ”は青森の方言でごぼうのこと。十美商事が手がける「ごんぼ漬」は、ごぼうを醤油やもろみに漬け込んだ青森ならではの一品です。ポリポリとした食感と風味があとをひくおいしさで、ご飯が進みます。地元のスーパーや道の駅で見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。







