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朝飯前スープ | 冷めやらぬ WarmThings #12

冷めやらぬWarmThings #12 朝飯前スープ 冷めやらぬWarmThings #12 朝飯前スープ
さまざまな分野で活躍する人に、“冷めやらぬ愛を持ち続けているもの”について綴ってもらう連載エッセイです。
WRITER 馬田草織(ばだ・さおり) 文筆家・ポルトガル料理研究家
朝飯前スープ 旅に出たら、未知の味と出会いたい。というか、未知の味との遭遇こそが旅の喜びでもある。フリーランスの変種者兼ライターになったばかりの頃、1ヶ月ほどポルトガルの食を巡る旅をした。いずれ本にしようと心に決めての旅だった。 知りたかったのは、その土地の暮らしが透けて見えるような料理。流行りや星の数とは無縁な、生活から生まれた料理だ。ポルトガル料理は、和食のようだと感じることも多かった。友人に知り合いを紹介してもらいながら訪ね、未知の味との遭遇が続いた。とても幸運な旅だった。 旅先で未知の味と出会ったら、新鮮な驚きとともに持ち帰る。そして自宅のキッチンで、教えてくれた人や一緒に食べた人を思い出しながら作る。もちろん「これって朝飯前スープなのよ」と照れながら教えてくれたマリアも。そうやって、帰ってからも旅を反芻するのだ。
さまざまな分野で活躍する人に、“冷めやらぬ愛を持ち続けているもの”について綴ってもらう連載エッセイです。
WRITER 馬田草織(ばだ・さおり) 文筆家・ポルトガル料理研究家
朝飯前スープ 旅に出たら、未知の味と出会いたい。というか、未知の味との遭遇こそが旅の喜びでもある。フリーランスの変種者兼ライターになったばかりの頃、1ヶ月ほどポルトガルの食を巡る旅をした。いずれ本にしようと心に決めての旅だった。 知りたかったのは、その土地の暮らしが透けて見えるような料理。流行りや星の数とは無縁な、生活から生まれた料理だ。ポルトガル料理は、和食のようだと感じることも多かった。友人に知り合いを紹介してもらいながら訪ね、未知の味との遭遇が続いた。とても幸運な旅だった。 旅先で未知の味と出会ったら、新鮮な驚きとともに持ち帰る。そして自宅のキッチンで、教えてくれた人や一緒に食べた人を思い出しながら作る。もちろん「これって朝飯前スープなのよ」と照れながら教えてくれたマリアも。そうやって、帰ってからも旅を反芻するのだ。
illustration：Higuchi Sakuya

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