スープ研究の旅 イン タイ Thailand Chiang Mai 03|whole vol.5

スープ研究の旅 イン タイ
13世紀に建国されたラーンナー王朝の趣が色濃く残る、タイ北部の古都・チェンマイ。
山々に囲まれた大地と、隣国の影響を受けた豊かな食文化を背景に、
グルメな人々から「何度でも足を運びたい」と愛されている場所だ。
まだ味わったことのない魅惑のスープに出会う旅へ、いざ出発!
※掲載情報は2025年4月現在のものです。価格や営業時間は変更になる場合があるのでご了承ください。
価格はタイバーツ(THB/税込)。
1THB=約4.25円(2025年4月4日現在)
撮影:須藤敬一 ヘアメーク:kika
コーディネーション:古川節子



刺激的な辛さと香りに
誘われる冒険スープ
家族連れや年配の常連客、地元の学生まで、さまざまな世代でにぎわう“安ウマ大衆食堂”と聞いて納得。ソーセージやエップムー(豚ひき肉の包み焼き)など、チェンマイの郷土料理がひと皿50~70THB、看板メニューのラープ(牛・豚・鶏のひき肉をハーブで和えた料理)も、65THBから楽しめる。
この店で常連客がよく注文するのが、ヤムジンガイ。ラープと同じく、唐辛子やスパイスがしっかりと効いた、鶏肉入りスパイシースープだ。がつんとくる辛さと濃い味付けは、ほんのり甘いもち米がよく合う。ヒーヒー言いながらも、口の中で広がる複雑な旨みが、食欲をどんどん後押ししてくれる。

Ⓐ辛旨スープ、ヤムジンガイ(65THB)。店名にもなっている「ラープ」は、タイ北部や東北部で使われる言葉で、もともとは“運”や“福”を意味する古語。ラープを食べることは、幸運をとり込むとされ、祝いの席に欠かせない。(写真右上 ラープ65THB)Ⓑローカルな大衆食堂は、最初こそ少しハードルが高く感じるかもしれないけれど、スタッフのにこやかな接客に肩の力が抜けるはず。常連のみなさんに混じって、“いつもの店”気分でエンジョイ!






麗しくてアロイな
汁ものスイーツ
スープでお腹がたぷたぷになっても、スイーツは別腹!というわけで、タプティムクロープの有名店にやってきた。タプティムとは、タイ語でルビーのこと。クワイを赤く染めたあと、タピオカ粉をまぶし、鍋で茹でると、ザクロの実のような食感のつぶつぶが出来上がる。それをクラッシュアイス、ココナッツミルク、甘く煮た豆や芋などと一緒に食べるのが、チェンマイっ子は大好きなのだ。
もうひとつ、定番の甘いものといえば、カオニャオ・マムアン。ココナッツミルクをひたした餅米に完熟マンゴーを添えたデザートだ。「これはご飯? スイーツ? 甘いけどほんのりしょっぱい?」なんてことを考えているうちに完食しちゃうおいしさ。

カオニャオ・マムアン(50THB)

指差し注文でも、にこやかに対応してくれるおばさん。(写真上 カオニャオ・マムアン 50THB)

ジュエリーのようなピンク、タイ料理の創作力にときめく。タプティムクロープ(25THB~)

緑のにょろっとしたものは、ロートチョン。パンダンリーフで色付けした、米粉のスイーツ。