ハッピー・チェンマイ散歩|whole vol.5

ハッピー・チェンマイ散歩
朝から活気あふれる市場に歴史ある寺院、少数民族の手仕事に出会えるショップなど、
昔ながらの暮らしが息づくチェンマイの街は、ぶらぶら歩いているだけでも楽しい!
人も街も穏やかなチェンマイで、ハッピーな時間を過ごしてみませんか?




チェンマイは寺院が点在する、タイ有数の信仰の地。どこを訪れようかと迷っていたところ、静かで趣がある寺院とおすすめされたのがこちら。商いに成功し、官僚ムーングンゴーンとなった元村人が、自らの土地に建てたと伝わっている。煌びやかというより、どこか控えめなたたずまいの涅槃像が寺院のシンボル。パステルカラーの小さな仏像やモザイクタイルなどのかわいいディテールに、自然とほほえみがこぼれる。




1969年創業のガゼムストアは、「家の近所にあったらいいな」と思うようなグローサリーストア。レジ前とショーケースには数十種類のパンやお菓子が、奥の棚には輸入食品が並ぶ、ぎゅっと詰まった空間にもワクワク。ドーナッツやシナモンロールといった人気モノの横には、ムーヨーン(豚でんぷ)入りのパン(59THB)も。こんな並びはタイならでは。在住欧米人からも長く愛されている。


オーナーのブンリンさんが、タイに住む山岳民族・カレン族の女性たちの助けになればと、ナイトバザールで彼女たちの手織り布を販売したのが店舗のはじまり。改築した倉庫にタイをはじめ、ミャンマー、ラオス、ベトナムなどの少数民族の衣装や装飾品、竹籠などがディスプレイされていて、まるで民族博物館のよう。手に取りやすい価格のものからとびっきりの一点モノまで。運命的な出会いが待っている。




チェンマイ最大の市場といえばココ。3階建ての巨大な空間に、食品や衣料品、日用品を扱う店舗が並び、独特のムードを味わえる。開設100周年の2010年には、チェンマイ出身の現代アーティスト、ナウィン・ラワンチャイクンが市場全体を使ってインスタレーションを発表。アートを通して、地域コミュニティの記録と再生に貢献した。作品は市場の吹き抜けに息づいているので、その空気を感じてみて。


近年、山岳地帯では森林農法でアラビカ種を栽培するコーヒー農家が増え、生産地に近いチェンマイのカフェ文化はいっそう活気づいている。そんな新しい風潮のなかでも変わらず人気なのが、カフェー・ボーラン。ボーランは昔という意味で、ロブスタ種のコーヒー豆に焙煎したトウモロコシや大豆などを混ぜて抽出する伝統的な飲みもの。コンデンスミルクをた~っぷり入れるのがおいしさの秘訣。通行人を眺めながら、朝のいっぱいぐびっといこう。



旧市街のターペー門からワローロット市場へと続くこの通りは、昔ながらの手工芸品や現代的にリデザインされた雑貨や家具を扱う専門店が集まる魅惑のエリア。カゴバッグ、ランプシェード、チェアなど、荷物がかさばるとわかっていても、連れて帰らずにはいられない魔力アリ。籐や竹などの自然素材は使い続けるほどに経年変化でいい表情になっていくのも魅力的。旅の思い出が自分の暮らしに仲間入りし、共に時を重ねる相棒になる。ホクホクの出会いに感謝♡

撮影:須藤敬一 ヘアメーク:kika コーディネーション:古川節子